住民の手で宮田高原のあり方検討開始
放牧牛の減少に加え、キャンプ場利用者も伸び悩む宮田村の宮田高原。昨年7月豪雨の影響が続き二季連続で閉鎖中だが、来季からの再開も視野に入れてそのあり方を考える検討が3日夜から、住民参加による「西山山麓観光開発研究会」で始まった。村は同研究会の意見を尊重して、存廃も含めて来春までには結論を出していく考えだ。
この日の研究会では、村産業建設課が同高原の現状を説明。毎年維持管理費に160万円程度が必要で、放牧委託料、キャンプ施設利用料で賄う経営状態も2004年度から赤字を計上していると示した。
その点も踏まえた上で懇談したが、「1600メートルの広大な高原は金で買えるものではなく、貴重な村の資源」「以前に村の子どもたちにアンケートした時に、圧倒的に宮田高原の自然を守るという想いが強く聞かれた」など、数人のメンバーからは再開を求める意見があがった。
自然をもっと前面に出した誘客や高原に通じる林道を活用した自転車レースや登山マラソンの開催、眺望の利く展望台の整備など、活性化に向けたアイデアも次々と出された。
高原の利用者数は近年、1400人から1500人程度で横ばいから減少傾向。放牧牛もかつては50頭以上いたとされるが、現在では10縲・0頭前後で頭打ちだ。
同課では収益を出すには放牧牛30頭、利用者も1600人程度の確保が必要としているが、再開も見通しながら来年度予算には高原事業費の計上も考えている。