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天竜川水系健康診断10年のまとめ刊行報告会

 諏訪湖流入河川と天竜川の本、支流の水質調査を10年間続けた「天竜川水系健康診断」の調査結果をまとめた本の刊行報告会が6日、伊那市駅前ビルいなっせであった。調査に参加した企業の代表約40人が出席し、結果を分析した沖野外輝夫信州大学名誉教授から分析内容を聞いた。
 97年から始まった調査は、上下伊那の企業20社でつくるリサイクルシステム研究会(向山孝一会長)が主催し、10年間で延べ約3500人が参加した。毎年、河川の各個所の水質を2時間おき、24時間検査し、水系全体の汚染の種類や工業、生活排水などが時間的にどのような影響を及ぼすかを把握した。
 報告会では、天竜川支流の定点調査でまとめた、汚染の総合指標となるCOD(化学的酸素消費量)の時間変化の積み上げ図などで、生活排水などにより汚染数値が変化しているのを説明。「水質をよくする鍵は生活の中にある」とした。
 沖野名誉教授は「水質調査はソフト事業であり、これで天竜川の水質がよくなるわけではない。生活の中で水の使い方を気にするなど一人ひとりが関心を高めること。生き物は水がなけらば生きられないことを再確認し、他の生物との共存が重要」とまとめた。
10年間の分析結果を報告する沖野名誉教授

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