【記者室】伊南バイパスはシルクロードか
伊南バイパス駒ケ根工区が15日に開通する。地図を見ると、一直線に駒ケ根市を貫いている新道に対し、赤穂の地名のもととなった赤須宿、上穂宿が栄えた旧三州街道は脇に押しのけられているようにも見える▼両道は市の南北端で接しているだけ。バイパス建設の目的通り、旧街道を通る車は激減して流れはスムーズになるだろう。だが華やかな開通騒ぎから取り残されたようなこの道と商店街の行く末を考えると、何だか割り切れない思いが残るのだ▼まちは道とともに栄枯盛衰を繰り返す。東西文化交流の動脈だったシルクロードにあってさえ、多くのまちが跡形もなく滅びた。だが時代は違う。新たな工夫で商店街を活性化し、見事に再生されることを期待したい。(白鳥文男)