地元の麦でビールをと宮田村でプロジェクト始動
地元産の大麦で地ビールをつくりたいと宮田村で構想が持ちあがり1日、関係者が集まり初の検討会を開いた。同村内で地ビールを醸造している南信州ビールは技術的な研究を始めたいと説明し、農協も賛同。麦の質やコストなど不透明な部分も抱えるが、「地域に根ざしたビールを」との共通認識で計画は始動した。
南信州ビールは今年、宮田村内の酒販店と協力し、地元の名水を使った「伊勢滝の風」を発売。
そのプロジェクトに関わった大田切区の農業田中一男さんが「地元の麦も使えないか」と同ビールに提案し、関係者に呼びかけた。
検討会には、農協、農業改良普及センター、村の担当者も出席。
南信州ビールの竹平考輝工場長代理は、地元産の大麦は通常ビールに使わない六条大麦であるが、麦芽として使える可能性を研究したいと説明。
農協と普及センターは研究調査に協力する意向で、調査結果によってはビールにあった品種の作付けにも前向きに取り組む姿勢を示した。
宮田村内では転作により約30戸の大麦栽培農家がおり、年間87トンほどを生産。
対して南信州ビールの麦使用量は年間15トンほどで、糖度やデンプン質など品質が適合すれば「原料として供給することは十分可能」(農協)だ。
農協宮田支所の小田切政市営農課長は「地元の製品になれば、栽培農家の意識も高まる」と話した。