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氏原暉男信大名誉教授の出版記念講演会

氏原暉男信大名誉教授の出版記念講演会

 ソバの特性からミャンマーにおける麻薬撲滅を目的とするソバ栽培に携わった経験まで、ソバに関するさまざまなことををつづった著書『ソバを知り、ソバを生かす』を10月に出版した氏原暉男信州大学名誉教授(73)=南箕輪村=による出版記念講演会が12日、伊那市西箕輪の羽広荘であった=写真。知人や友人など約30人が集まる中、氏原氏は8年間に及ぶミャンマーでの取り組みとその思いについて語った。
 講演会は氏原氏の知人有志らが企画し、実現したもの。
 氏原氏は、本の中でも触れているミャンマーで取り組んだソバ栽培による麻薬撲滅プロジェクトについて当時の様子や、その後の変化など紹介。
 当時は山岳地帯に住むいくつかの少数民族が麻薬の原料となるケシの栽培を行い、それを売った現金収入で生計を立てているという状況にあったが、そんな中、その代替作物としてソバを普及させるプロジェクトを開始。各地を巡回しながらソバ作りについて指導し、最盛期には800ヘクタールまでソバの栽培面積を拡大し、アヘンの生産量をピーク時の半分に減らすことを実現したことを示した。
 最後に「この国(ミャンマー)では、まだまだ少数民族の意見が中心部へ届かないというのが現状。だからこそ、渡したこれからもこの国を温かく見守り、一緒にやっていきたい」と今後への思いを語った。

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