七久保煙友会
新春花火大会で今世紀県下初の3尺玉打ち上げる
3尺玉の打ち上げは長年の会員の悲願、多くの人に会員が咲かせた夢の大輪を見てほしい-。大晦日の風物詩、飯島町七久保の七久保煙友会(大嶋学会長、13人)の大晦日新春花火大会は、七久保上通り集会所西側をメイン会場に、今年も元旦の0時から盛大に行われる。広域農道沿いに高さ4メートル、直径約1メートルの3尺玉用の巨大な打ち上げ筒を展示し、PRをしている。
同会は30年前、七久保三社合同祭(秋祭り)に奉納花火を継続しようと結成した。今年30周年を迎え、「いつかは3尺玉を上げたいというのが先輩から引継がれてきた長年の悲願。この節目を逃しては2度と上げることができないのではと、決心した」と大嶋会長。
3尺玉の打ち上げ場所は、保安距離を確保するため、人家から650メートル離れた上通りの私有林。3尺玉は上空600メートルまで打ち上げ、直径600メートルと大きく開き、駒ケ根市や宮田村からも見えそうだ。
21回目を数える大晦日新春花火大会は、「不景気風をふっとばそう」と始まった。最初は除夜の鐘108にちなみ尺玉8発を上げたが、評判は散々「なんで、大晦日に花火を上げるのだ」と、非難ごうごうだったとか。費用は個人からの寄付のみ、会員が友人、知人、親せきを回って捻出したが、最初の頃はなかなか集まらず、尺玉8発が精一杯だったとか。回を重ねるごとに、町内外から協賛者も増え、花火の内容も年々充実してきた。
豚汁やお神酒の振る舞いは5回目から、遠くから見物に来てくれた人に温まったほしいと始めた。
12月6日早朝、3尺玉の打ち上げ場所で測量作業をしながら、会員の1人、宮下正彦さんは「目の前で上がる大きな花火は迫力満点。冬の夜空は澄み渡り、最高にきれい」。那須野明さんは「地域の皆さんの協力で、30年続けてこられたことに感謝し、30周年にかけた会員の思いを見てほしい」。宮下雅規さんは「空に咲いた、その瞬間の美。花火を通じて、色々な人と交流できる」と魅力を。
大嶋会長は「3尺玉は初めての試みだけに絶対成功させたい。花火は大きくなれば、なるほど難しいといわれるが、実績があるアルプス煙火にお任せし、安心している。丸くて、色鮮やかな花になってほしい」と話す。
花火大会は3尺玉のほか、恒例の尺玉8発、超広角大スターマイン百発を打ち上げ、新春を祝う。
また、会場では年越しそばや豚汁、甘酒、お神酒が振舞われる(限定300食)。(大口国江)