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JA上伊那、高齢化農業者の労力低減と新たな担い手確保を目指しりんごの新わい化栽培向け台木約8400本を来年から導入

JA上伊那、高齢化農業者の労力低減と新たな担い手確保を目指しりんごの新わい化栽培向け台木約8400本を来年から導入

 上伊那農業協同組合(JA上伊那)は来年から、リンゴの新わい化栽培の導入に向け、台木、約8400本を購入する。これまでのわい化では台木に接ぎ木を施し、そのまま畑に植えて生育してきたが、新わい化では接ぎ木をした苗木を1年間かけて枝数の多い「大苗」に育成。それを畑に植えると、従来よりも低い木で多くの収量を得ることができる。現在上伊那にある多くのりんご園では、25年以上前に植えられたわい化木が巨木化し、高齢化が進む果樹生産者の大きな負担となり、高所作業の事故も起こりやすくなっている。そのためJA上伊那では今後、新わい化技術により育てた木への改植を継続的に進め、労力はこれまでの半分に、収量はこれまでの2倍、確保できるようにしたいとしている。高齢化する果樹園農業者の支援と、新たな担い手確保を目指す狙いもある。
 現在上伊那では、約830戸の販売農家が約230ヘクタールでリンゴを生産しているが、高齢化などの影響でその栽培から離れる農家が増加。10年前の約60%にまで落ち込み、大幅に減少している。
 また、経営者の年齢も70歳代以上が約40%。それに続く60歳代が30%を占めており、今後も生産主体は高齢農業者が担っていくこととなる。一方、栽培品種は、8月下旬から9月下旬まで収穫できる早生種の「つがる」が25%、10月下旬から11月末まで収穫できる晩生種「ふじ」が56%、を占めており、その間を埋める有力品種の育成が課題だった。
 そこで今回、新わい化栽培の導入により作業軽減を図るとともに、食味が良いとされる長野県オリジナル品種「シナノスイート」「シナノゴールド」を中心とした苗木への植え替えも実施。これらの品種は「つがる」と「ふじ」が収穫できない9月下旬から10月下旬ころまで収穫できるため、8月下旬から11月末まで一貫して収穫できる生産体制を整えられることになる。
 新わい化木がほ場に植えられるのは09年。収量目標は移殖して2年後で10アール当たり1トン、木が安定する4年後には10アール当たり4トンとしている。

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