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上伊那岳風会会長 堀内茂彦(雅号・岳茂)さん

駒ケ根市赤穂町二区

上伊那岳風会会長 堀内茂彦(雅号・岳茂)さん

 漢詩や和歌などを朗々と吟ずる詩吟の魅力に若くしてとりつかれ1967(昭和42)年、同好の士5、6人とともに駒ケ根吟詠会を設立。翌年には会員が一気に30人余り増え、県岳風会駒ケ根支部へと発展した。その後、名称も上伊那岳風会となって会員も600人を超えるなどさらに成長を遂げ、昨年には創立40周年を迎えた。04年から会長を務めている。
 「詩吟とは1分半の芸術である竏秩B日本の伝統を伝える素晴らしい文化であり、精神のよりどころだね。一日1回、腹の底から大きな声を出すことは健康のためにもとてもいいんだよ」
 ◇ ◇
 詩吟を本格的に始めたのは18歳の時。詩吟を愛した父の影響もあり、進学した大学では詩吟部に入部した。
 「人前に立つ訓練も兼ねて始めた。最初のころは舞台で本を持っていても緊張で手が震えて困ったものだ。今は人が吟ずるのを審査する立場になったが、60歳を過ぎているような人でもやっぱり同じように震えているのを見ると何だかほほ笑ましい気がするね」
 20代後半、全国大会で2位に入賞した。
 「あのころは若かったな。毎朝5時に起きて天竜川の河原で一生懸命に練習したものだ。大会では杉浦重剛の『自訟』を6、7人で合吟した。吟じ終わった時「これならいける」と確信したよ。残念ながら優勝はできなかったが」
 それからも日々研鑚を積み、3年続けての入賞を果たした。
 吟ずるだけでなく、吟に合わせ、刀を持って舞う剣舞や、扇子を持って舞う扇舞にも堪能。さらに剣舞に精進する中で居合いも習得した。6段錬士の腕前だ。
 「居合いに使う刀は刃の付いた真剣。なまはんかな気持ちで扱うと大変なことになりかねないから、精神の統一にはもってこいだね」
 「吟じても吟じても、詩の心を知ることはなかなか難しい」という。自分で創作してみれば少しでも理解が深まるのでは竏窒ニ考え、漢詩の創作にも挑戦している。
 「300作を目標に10年前から始めたんだが、今280作ぐらいかな。達成したら今度は400作りたいな。いろいろな趣味に手を広げているようにも言われるが、根本はあくまで詩吟なんだよ」
 ◇ ◇
 各地で毎週のように開かれる詩吟の大会に出席するのに忙しい。信濃燃料の社長で県LPガス協会理事、上伊那LPガス協会会長でもあり、日曜、祭日には家にいたことがないほどだ。
 「だが、詩吟のおかげでたくさんの人たちと接することができ、素晴らしい出会いにも恵まれた。小1と小2の孫も詩吟を始めていてね。時折一緒に吟じるんだ。格別な気分だよ」
 (白鳥文男)

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