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駒ケ根市長選展望

 5期20年の長きにわたって市長を務めてきた現職の中原正純氏(67)がさらに6選を目指して出馬するかどうかが注目されていた中、10月3日に「今期限りでの引退」が発表された。これを受けて11月2日、前市議会議長で市社会福祉協議会会長の北沢洋氏(56)=無所属、上赤須=が、同17日には元県教育次長の杉本幸治氏(58)=無所属、上穂町=が相次いで立候補を表明。新人同士による選挙戦突入が確実となった。長期政権が続いたことで良くも悪くも方針にぶれがなかったこれまでの20年間。だが・スカリスマ市長・スの交代により、市政は大きな転換点を迎える。その意味で今選挙は市の歴史を語る上で大きな節目となる。
 任期満了(1月28日)に伴う駒ケ根市長選は1月13日告示、同20日投開票。これまでに立候補を表明した2人のほか、共産党も加わった市民団体「市民のくらしを守る駒ケ根みんなの会」が候補者擁立に向けて調整を進めている。北割二区の男性が支援を受けて出馬する意向を示していたが、11月に断念した。元県議の林奉文氏(62)=南割=を推す声は根強いが本人の言葉や周囲の状況などをみる限り、出馬の可能性は低いと思われる。関係者は「出るか出ないかも含めて熟慮中。ぎりぎりまで検討する」ともらすなど、人選は難航しているようだが、ようやく候補者が決定したとする情報もある。告示まで残された時間は少ないが、三つどもえの選挙戦となる可能性も十分残っている。
 北沢氏、杉本氏とも立候補表明以降、各地で精力的にあいさつ回りやミニ集会などを行い、政策のアピールと知名度の向上を図っているが、市民の関心の高まりはいまひとつといった雰囲気だ。
 事実上、中原市長の路線を踏襲する後継者と目されている北沢氏は中原市長の後援会のほか、宮下一郎衆院議員、佐々木祥二県議の推薦も受けるなどして組織固めに力を注いでいる。だが後継者の立場が有利に展開するとばかりは限らない。4年前の前回選の結果がわずか198票の僅差だったことからも分かるように、いわゆる「反中原」の市民も相当数存在すると考えられるからだ。これら批判の声をどうかわし、どう味方に取り込めるかが課題となる。
 杉本氏は前回選で立候補表明が告示日のわずか1カ月前だったことから出遅れの不利が心配される中、追い風に乗って終始優位に選挙戦を進めたものの、支持者らの間で「勝った」との楽観論が広がり、最終盤で逆転を許して現職の中原氏の前に苦杯をなめた。組織票の怖さを身をもって体験している杉本氏は、前回の苦い経験を生かして地道な活動を展開。「地元にいることが少なかった」との反省から、今回は地に足をつけて草の根的に支持拡大を図っている。
 第3の候補が出て三つどもえとなると、選挙戦は各陣営入り乱れての混戦となることが予想されるが、このまま一騎打ちの戦いとなった場合には竏秩B前回杉本氏を支援した共産党は07年春の県議選などで同氏との考え方の相違が表面化したため、今回は支持しない方針を崩していないことから、この票がどう流れるかも注目される。
 市長選はこれまで現職対新人、中原対反中原、保守対革新といった構図が続いてきた。それぞれの主張が真っ向から対立し、時にひぼう中傷合戦が起きるなど、市民を二分するような過熱した戦いが繰り広げられてきたが、反面ある意味で分かりやすい選挙だったともいえる。今回は新人同士の戦いということもあり、市民からは「候補者の顔が見えない」との声が聞かれる。両氏が掲げる政策はいずれも医療、福祉、教育、子育て支援の充実や産業振興などで、新人では無理からぬことだが取り立てて大きな違いは見られず竏秩B政治的な実行力もともに未知数とあって争点が見えにくい。中沢の農業の男性(77)は「言っていることがあんまり違わないから、どっちが市長にふさわしいのか全然分からん。人柄も知らないし…」と話している。
 明確な違いとしては中原市政についての評価が挙げられる。北沢氏は「中原市長が取り組んできた社会基盤整備がなければ、現在の発展はなかっただろう」として支持する考えを示している。一方の杉本氏は「財政基盤を築いたことは評価するが、誰でも自由にものが言える雰囲気がなくなるなど多選の弊害が出た」と批判。長かった中原時代への評価は市民の間にも賛否両論あるが、次期市長としてこれまでの市政をどう受け止め、どのように変えていくのかがあらためて問われている。
 いずれの後援会とも6から10日にかけて、選挙戦に向けての総決起大会を開くことにしている。候補者は駒ケ根市をどんなまちにしていきたいのか明確なビジョンを率直に打ち出し、政策や考え方の違いを市民の前にはっきりと示してほしいものだ。

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