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農業問題研究会で集落営農の現状と将来について話し合う

農業問題研究会で集落営農の現状と将来について話し合う

 上伊那の農業関係者らでつくる「これからの方向と政策を考える農業問題研究会」(三浦覚代表)が20日、初めての会合を伊那市狐島の上伊那農業協同組合(JA上伊那)本所で開いた=写真。国の新しい農業政策に基づき、上伊那地区でも組織化が進んできた集落営農をテーマに掲げ、その現況と課題を討論。「国の方針に基づき、5年後の法人化を目指して組織化してきた一方、組合の利益がでない今の状態では、法人経営は難しい」、「担い手のいない中山間地域などの集落営農組織は誰が運営を担うのか」など、さまざまな問題を共に認識した。また今後は、ワークショップなどを開催しながら会としての目標を明確化し、具体的政策提言につなげていくための「戦略地図」を作成する。
 同会は、さまざまな問題を抱える農業に対し、現場で携わる人自らが理解を深め、具体的な政策を模索することを目的として昨年10月に発足。メンバーには農業者ほか、JA上伊那理事、信州大学農学部長なども参加している。
 任意組織として各地に集落営農組織が発足する中、現在上伊那地区では6500人を超える農業者がいずれかの組織に加入している。しかし、国が求める法人経営にいたるには課題が多い一方、農地保全などといった側面から見れば、経営に特化した組織だけでは農地が守れなくなるため、JA上伊那としても今後は(1)経営主体として行う組織(2)農地保全を目的とし、あまり収益を追求しない組織竏窒フ二通りが必要となると考えていることを席上で職員が示した。また「現状の米、麦、大豆だけでは利益を出していける状況にない」として、今後は園芸作物への取り組みも拡大していく必要があることも指摘した。
 参加者からは「農地の管理ができなくなったという人は山間地に多いが、山間地は農地の条件も良くないため、経営ベースの集落営農組織では、受け入れてくれないといったケースも生じてくる。こうした事態を解決する組織も必要」とする声があったほか、現在ほとんどの集落営農組織では、生産にかかる労働に対して参加者に配当金を支給しているのに対し、多くの農業者が土地を引き受けてもらえば配当がもらえると考えていることも多いなどといった、認識差を指摘する声もあった。
 次回は2月11日にワークショップを開催する。

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