【記者室】心温まった朝
廃油石けん作りに挑戦した小学3年生。一斗缶の中で米の研ぎ汁に苛性ソーダを溶かそうとしたとき、匂いと煙にびっくり。屋外でマスクもしていたのだが、「くさーい」の合唱となった▼匂いも煙も納まり、廃油を加えて長い棒でひたすらかき混ぜ始めたが、缶を囲むように並ぶ児童の中で一人見ているだけの子がいた。刺激臭に驚いたのか缶に近づかない様子。友達に「大丈夫だよ」「もう臭くないよ」と誘われ、恐る恐る棒を握ると、一緒に棒を持って混ぜてあげる児童がいた▼「出来たね」という教諭の言葉と共に皆の大きな拍手。児童はしばらくすると列に並んでいた。ぐっと冷え込んだ寒い朝だったが、友達を思う心とさりげない優しさに、心が温かくなった。(村上裕子)