伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委員会が建設用地選定に向けて防災的側面から各候補地の現状を学ぶ
上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の建設地の検討を進めている伊那市の用地選定委員会は24日、地形、地質の影響が建設地に与える影響を学ぶための学習会を伊那市内で開いた。信州大学名誉教授で山地環境防災研究所の北沢秋司氏が、伊那市の地形・地質、これまでに発生した自然災害などの経過から、各候補地の防災面から見た適正を説明=写真。「市内にある断層で、これまで地震を起こした形跡のあるものはない」としながらも、「常識的な判断から断層や河川の近くなどには建設物をつくらないという判断が正しい」とし、断層がなく、御岳の噴火による堆積物が深く積もっている候補地などが、建設には適していると説明した。
北沢氏は市内にある断層の位置、地質の強弱、過去に自然災害があった場所などを説明しながら、各候補地の地理的条件を説明。その中で、市内の断層には過去に地震を起こした証拠があるものがなく、「伊那市は直下型地震のない場所」と説明した。しかし、大規模地震が起きればどういう被害が起こるかは分からないため、「そういうことは念頭に置き、地震に備えておくのは大切」と指摘した。
また、三峰川の氾濫原にあり、市のハザードマップなどにも掲載されている天竜川、三峰川の合流点の候補地などはあらかじめ危険性が予知でき、「あえてこうした場所に施設をつくるのはおかしい」とした。