箕輪町が体系的な雨水排水計画策定へ
第1回策定委員会
箕輪町は、浸水被害防止と良好な雨水排水を実現する「雨に強いまちづくり」に向け全町的、体系的な雨水排水計画を07、08年度の2カ年をかけて策定する。上伊那の他の自治体に先行した取り組み。町役場で28日、雨水排水計画策定委員会の初会議を開き、計画策定調査業務を委託した建設コンサルタントの日水コン長野事務所(本社・東京都新宿区)から各地域の現状と問題点、対策候補案などの説明を受けた。
町の下水道は汚水のみを処理し雨水は河川などに放流する分流式で、雨水を流し込むことができない。下水道事業に併せ雨水計画を策定しているが、今回、下水道事業の国庫補助事業分が08年度までにほぼ終了の見込みとなったことから、全町的な雨水排水対策に着手した。
策定委員会は町内15区の代表、伊那土地改良区や西部箕輪土地改良区、県や国などの関係者ら31人で構成。任期2年。委員長は西天竜土地改良区理事の日野和司さん、副委員長は中井筋管理組合長の日野源美さん。地元要望などを確認しながら策定に向け協議する。
昨年9月に基礎調査を始めた委託業者の日水コンによると、町の実態は▽天竜川沿いの平坦な市街地で浸水しやすく、鉄道横断など交通網施設が排水を阻害▽排水先河川の能力不足で雨水排水が困難▽宅地や道路整備に伴う雨水流出量の増大-などとなっている。
計画検討は、地形や河川整備状況、他事業との連携を踏まえた雨水整備手法の策定と、住民ニーズの視点に立った段階的な整備計画の立案を進める方針。
町内を5ブロックに分け、現状・問題点と対策候補案を示し、桑沢川周辺地域では、広域農道下を利用した貯留管設置や深沢川へのバイパス管設置などの対策案を挙げた。
今後は、現地調査や現況分析、地元要望確認などを進め計画を策定。09年2月までに国交省の補助申請をし、09年度から事業を開始したい考え。
平沢豊満町長は、事業規模は10年、20年とかかり、完了までの事業費は200億円から300億円との見通しを示し、「雨水被害が出ているところを先行させていただくかもしれないが、町全域が快適に暮らせるようにしたい」と話した。