観光事業関係者を対象とした観光講演会開催
伊那市のふるさと大使で旅行案内書「ブルーガイド」の編集などに長年携わってきた森田芳夫氏=写真=を迎えた「観光講演会」が29日、伊那市内であった。市町村、観光協会の担当者など約40人が参加。森田氏の話を聞きながら、上伊那地域の観光振興について考えた。
上伊那広域連合、上伊那観光連合が企画した講演会で、森田氏は観光パンフレットの編集、公共の宿泊施設のあり方の2点について各地の事例を参考にしながら提言。現在上伊那広域連合が作成している観光パンフレット「上伊那」については、「上伊那というマイナーな地名を用いていては、全国でどう響くかが問題」とし、より、知名度の高い“伊那路”“伊那谷”などといった言葉に置き換えることなどを提案した。また「パンフレットの主たる役割はいかにして人を誘うかだと思う」とし、見る人にインパクトを与え、行ってみたいと思わせるような表紙とするには、よりシンプルな素材で、「上伊那」という地域を出していくことが重要であることを指摘した。
また、公共の宿泊施設の役割については、長年宿泊施設についての編集に携わってきた仲間の意見を参考に「宿のマネージャーや従業員が現地のことを熟知し、訪れた人に積極的に地域の情報提供をしたり、丁寧な対応をしている宿ほど、客は好感を感じている」と説明。一方、電話やフロント対応の悪さなど、ちょっとした対応の悪さからほとんどのクレームが発生している事実も紹介し、「設備の不備などでクレームが始まる訳ではなく、対応がしっかりしていればクレームは避けられる」とした。