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江戸時代の絵巻物「高藩探勝」初公開へ

新市の有形文化財第1号に指定

江戸時代の絵巻物「高藩探勝」初公開へ

 江戸時代、高遠藩領内の景勝52カ所を克明に描いた絵巻物「高藩探勝(こうはんたんしょう)」が30日、伊那市の有形文化財に指定される。高遠の城下町、藤沢郷、春近郷、入野谷郷などほぼ領内全域が描かれ、当時の情景や人々の暮らしぶりをうかがい知ることができる歴史的な史料。3月22日から、高遠町歴史博物館の春季特別展で一般に初公開する。
 高藩探勝は上・中・下の3巻で、1743年に完成。藩主内藤侯大和守頼卿(よりのり)の命で、高遠藩士の小山郡太夫林盛が絵を描き、画題ごとに城戸十兵衛勝政、浅利粂右衛門信尹(のぶただ)が詠んだ和歌を一首ずつ添えた。
 絵巻物は縦29センチ、横10メートル前後。上巻は河南縲恍キ藤の16カ所、中巻は番匠縲恊シ春近の17カ所、下巻は富県縲恷ナ平の19カ所で、田植え、三峰川を下るいかだ流し、商家のにぎわい、雪山での炭焼きなど人々の暮らしぶりとともに、春夏秋冬の順で描かれている。「殿坂の夕照」は殿坂口に詰め所が置かれ、武士と町民の住み分けの接点だった高砂橋の風景。
 保存状態もよく、岩絵の具とみられる色も鮮やかに残る。
 高藩探勝は高遠町下山田の岩崎千代美さんが所有していたが、30日、市へ寄贈。町歴史博物館で保管する。
 一般公開は3月22日縲・月27日。

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