飯島区が小水力発電所建設を決定、国交省に水利権取得を申請
飯島町の飯島区(竹俣栄二郎区長)はこのほど臨時区会を開き、新井水路を利用した小水力発電所の建設を決めた。現在、国土交通省に水利権の拡大を申請中で、引き続き、新エネルギー特別措置法(RPS法)による事業認可を受け、新エネルギー産業開発機構(ネド)の補助金を申請する。順調に進めば、今秋にも着工の運びとなる。
飯島区が管理する新井水路は、樽ケ沢で与田切川から取水している灌漑(かんがい)用水の基幹水路。発電所予定地は取水場所から約2キロ下流の朝待(第1発電所)と、さらに200メートル下流のうどん坂分水地(第2発電所)の2カ所。落差が45メートル余と大きく、予定地より上流に水田がないことなど地形に恵まれている。
朝待では1分間に110キロワット発電、うどん坂は220キロワット発電する計画。朝待は中部電力に売電、うどん坂分は役場庁舎まで電柱を立て送電し、庁舎など公共施設で使用する考え。総事業費は約3億円で、うち2分の1は国庫補助、残りは区の自己資金と借入金を充当する。設備は25年償却。
同区は06年秋、中部電力の子会社、シーティクから提案を受け、区議会や全体説明会を開くなどして慎重に検討してきた。1月28日の区会臨時会で推進を決定した。
竹俣区長は「県内に例が無く、今後予想もつかないさまざまな課題に突き当たるかもしれないが、将来の環境問題を考えると、限られた化石燃料だけに頼ることなく、小水力発電による電力の地産地消を図ることも大切ではと、みんなで話し合い、勇気を持って決断した」と話す。