気になる子どものとらえ方と支援のあり方を考える講演会開催
気になる子どものとらえ方と支援のあり方を考える講演会が9日、伊那市役所であった。信州大学教育学部附属教育実践総合センターの准教授で臨床心理士の上村恵津子さんを講師に迎え、子どもの気になる行動には、どんな意味があるのか、また、それをどのようにとらえ、支援していけばよいのかなど、市保育協会員や一般など約250人が考えた=写真。
保育協会が毎年この時期開催している勉強会で、今年度は軽度発達障害や問題行動などの目立つ子どもとどう接し、支援していけばよいのかを学ぶ講演会を企画した。
講師の上村さんは、自閉症や行動障害の児童が問題行動をとるのは、言葉でうまく伝えられないメッセージや、理解してもらいたいことなど、その子なりの理由があることを説明。「これは自閉症の子どもに限らず、いろんな子どもたちに言える」とし、「私たちはその問題行動からどうやってそのメッセージを読み取るかが大切になる」と語った。
その上で、その子が問題行動を起こすまでに至った行動を分析をするための手法として、ABC行動分析を紹介。問題行動を起こした時の先行状況、その時の問題行動、それによって生じた結果、因果関係を一つひとつ明らかにしていくことで「子どもの問題を誘発した原因が見えてくる」と説明。「子どもの伝えたいことを分かるためには、それを受け取る私たちのコミュニケーション能力が求められることにもなる」とした。