伊那ビデオクラブが猿の絵物語を制作
3月9日の映像祭で披露
伊那ビデオクラブ(飯島尚美会長、30人)は、伊那市内に伝わる猿の民話をもとに、絵物語を制作している。事務局の赤羽仁さんは「獣といえども親を思う子、子を思う親の気持ちは人間と変わりない。民話を通じて親子関係を見直す問題提起になれば」と話す。3月9日の「伊那映像祭2008」で披露する。
全国各地で親子間の痛ましい事件が相次ぐ中、親と子のきずなを深めてほしいと願い、長谷の「孝行猿」と東春近殿島の「親子猿物語」を取り上げた。市から映像記録の委託料50万円を受け、昨年秋から制作に取りかかった。
市の無形民俗文化財である「孝行猿」(上映時間30分)は猟師に撃たれ、死んだ母を子が助けようとする話。脚本は信州豊南短大講師小沢さとしさん、原画23枚は市職員山下隆さんが書き、ナレーションを加えた。
「親子猿竏秩v(同23分)は子が熱湯の中に落ちて死んでしまい、母が子を抱いて川へ飛び込む話。脚本はクラブ員河野恒さん、原画63枚は漫画家橋爪まんぷさんが担当し、語りは伊那市図書館の読み聞かせグループや伊那北高校演劇部の協力を得た。
いずれも紙芝居のように原画をビデオカメラで撮影した。
14日夜、市内で試写会があり、クラブ員20人が参加。ナレーションと音楽とのタイミングや映像など意見を出し合った。修正を加えて完成させる。
映像祭は3月9日午後1時半から、伊那市生涯学習センター6階ホールで開催。猿の絵物語のほか、長年記録してきたハッチョウトンボの生態と保護、漂泊の俳人・井上井月なども上映する。伊那毎日新聞社など後援。入場無料。
終了後、猿の絵物語などをDVDに収め、市内の小・中学校、保育園、図書館、公民館などに配布する。