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伊那市、来年度から子育て支援センター有料化を検討

 伊那市は来年度から、子育て中の母子などを対象として無料開放している「子育て支援センター」を有料化する方向で検討している。市では利用する母親らの理解を得たり声を寄せてもらうため、今週から来週にかけて利用者アンケートを開始。しかし、有料化に対し動揺する母親の声も聞かれるほか、女性団体関係者や子育て支援活動に携わる一部の有志などの中には「有料化が本当の子育て支援につながるのか疑問」とする声も強く、今後、こうした人たちの一部有志が有料化反対の署名活動を展開しようとしている。
 子育て支援センターの有料化は市の財政難などを受けて検討されてきたもので、市では利用する母親らの理解を得たり、声を聞くための説明会を開催してきたほか、より多くの声を募ろうと今週から2週間の間利用する母親にアンケートを実施している。しかし、このアンケートは有料化の是非を問うものではなく、基本的に有料化への理解を求めたり、その金額に対する率直な声を寄せてもらう内容となっており、すでに08年度予算案の中には子育て支援センター有料化は盛り込まれている(子育て支援課)。
 現在市が想定しているのは、登録料という形で1ヶ月100円、年間1200円を徴収し、それを子育て支援センターで使用される光熱費や燃料代の一部に当てるというもの。また、家計の苦しい家庭などに対する減免措置も考えている。現在子育て支援センターは市内4カ所にあり、年間84万円の光熱費、燃料代がかかっている。市では有料化により、その半額ほどを受益者負担にしたいと考えているが、残る光熱費やその他の保険代、消耗品代などは今後も市が負担する。
 当時市議として子育て支援センターの立ち上げに携わり、今回署名活動を展開する一人、木内律子さんは「子育て支援センターは『屋根のある公園で、そこに相談できる人がいたらいいね』という話で子育て中のお母さんたちと立ち上げたもの。有料化はおかしい。子育て支援センターを利用するお母さんたちが増えていると聞いたが、有料化することで利用できる人が限られてしまう可能性もある。」と話す。
 また、市担当者は「市民のみなさんには申し訳ないことだと感じているが、協力をお願いするしかない。当然高すぎるなどの意見も出てくると思うが、どういう風にしていくのがいいのか意見を寄せてもらいたい。今後は、利用者参加型の施設運営を図り、利用するお母さんたちにも率先して子育て支援センターの運営に携わってもらいたいと考えている」としている。
 署名活動は今後、関係者と調整を図りながら進めていく予定。

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