家畜排せつ物処理技術研修会
上伊那畜産振興協議会の家畜排せつ物処理技術研修会は7日、箕輪町文化センターや伊那酪農業協同組合であった。資源循環型農業を確立するため、畜産農家や農協、市町村など関係機関から約30人が参加し、たい肥化や尿の液肥化技術を熱心に学んだ。
たい肥製造技術研修は、県農業技術課主任専門技術員の吉田宮雄さんが指導。基本6条件に栄養分、空気(酸素)、水分、微生物、温度、時間を挙げ、最も重要な空気と水分は、通気性の目安が容積量が1リットルあたり0・5キロ、水分は家畜ふんの場合55-70%と説明した。
空気と水分の加減を簡単に見る「容積重」の計測方法として、10リットルのポリバケツにたい肥原料をすり切りいっぱい詰めたときの重さが5-7キロの範囲ならば、初期の好気性発酵に理想的な水分で空気も十分に含んでいることも話した。
また、一般から多くの苦情がある尿散布時の臭気を低減させる尿曝気処理の液化技術研修もあった。
曝気処理装置の仕組み・設置方法に加え、実際装置を導入した農家の事例を紹介。その農家が、処理を施した肥料を今年の春に散布をしたところ、明らかに臭気の減少が見られたという。
曝気装置は、既存の尿溜槽に直接設置でき、積極的に導入する農家も、徐々に増加しているが、装置を設置できる尿溜槽を持つ人が大規模農家に限定されていることや、コスト的な制約があることが、今後の課題となっている。