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木曽駒ヶ岳生態系保護地域における植生復元対策事業の調査結果を報告竏注。後5年を目途に植生マット施工技術などをフローチャート化

 登山者の入り込みなどによって高山植物の荒廃などが進む中央アルプス木曽駒ヶ岳で、植生復元対策事業に取り組む中部森林管理局木曽森林環境保全センターは26日、本年度実施した復元作業の報告と今後の事業のあり方を考える検討会を伊那市の南信森林管理署で開いた。同事業に参加するNPOやボランティア、市町村関係者が集まり、植生復元のために設置したヤシ繊維マットなどの成果を確認。「厳しい自然環境においては劇的な植生の増加は難しい」としながらも、個体数や植被率が増加傾向にあるという報告を受けたほか、事業継続を予定している5年の間に、植生マットなどの施工手順や技術をマニュアル化する。
 同事業が始まったのは05年度。調査区域は木曽駒ヶ岳森林生態保護地域や特定地理保護林となっており、今年度は昨年9月にボランティアや県、市町村の協力のもと、伊那前岳の八合目でヤシ繊維や麻繊維のマットを伏工し、一部に高山食物の種子をは種した。
 また、05年度、06年度にヤシマットを設置した場所についてはモニタリング調査を実施。05年度に設置した場所ではもともとそこにあった植物の生長による個体数増を確認。一方、08年度に設置した場所では、主には種した植物が個体数を増やしたことで、全体の個体数が増えていることが明らかになった。
 事業は5年程度の継続調査を行い、どのような傾向を示すか確認し、その後の方向性を模索する。また、来年度は「八丁坂」や伊那前岳にいたる「九合目」「登山道沿い」で、植生復元計画を検討していく。
 参加者からは「いずれにせよ、復元には時間と労力がかかる。植生が破壊されないよう、できる限り観光客に呼びかけていく必要がある」などといった意見も出された。

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