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食の安全安心を考える勉強会

食の安全安心を考える勉強会

 伊那食品衛生協会(御子柴誠一会長)は26日、シンポジウム「食の安全・安心を考える勉強会」を伊那市駅前ビル「いなっせ」で開いた。行政、検査機関関係者、生産者、消費者など約150人が参加し、意見交換をした。
 シンポジウムでは消費者代表として長野県食の安全・安心モニターの中山千代美さん、上伊那地方事務所農政課の桑原祐一さん、上伊那農業協同組合常務理事の瀬戸喜成さん、飯田食肉衛生研究所の安藤清明所長、伊那保健所食品生活衛生課の熊谷彰芳さんなどが、それぞれの立場から食の安全について講演した。
 桑原さんは「ポジティブリスト制度に対応した農薬使用について」と題し、農薬や肥料を安全に使用するための国や県の対策について話した。
 桑原さんはまず「農薬を使わない農業生産では、どうしても病気や害虫、雑草などにより農産物の安定生産を欠く」と農薬の必要性を説明。農薬を使わなかった場合の減収率として、水稲28%減、小麦36%減、大豆30%減、リンゴ97%減、モモ100%減など、農林水産省のデータを提示した。
 そして農薬の安全性を確保するために取られている政策として、厳密な検査のうえで国に登録された農薬だけが製造、輸入および販売できる農薬の登録制度や、農作物に対し全ての農薬の残留基準値を設定し、基準値を超過した農作物、食品の流通を禁止するポジティブリスト制度などを説明した。
 桑原さんは「農家において規制や回数、希釈倍率を守っていくことが、食の安全につながっていく」と話していた。
 また瀬戸さんも最初に農薬について「農薬というと大変危険だという認識が多くあるが、ほとんどのものは長くても1週間以内で成分が分解し、体に障るということのない範囲のものになっている。散布したものを一生食べて健康に差し障りがない、そういうものが基準になっている」と話していた。

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