映像祭で猿の絵物語を披露
伊那ビデオクラブなどが主催する「伊那映像祭2008」が9日、伊那市生涯学習センターであった。伊那市内に伝わる猿の民話をもとにした絵物語や3年間にわたるハッチョウトンボの記録など6作品を上映した。
猿の民話は全国各地で親子間の痛ましい事件が相次ぐ中、親と子のきずなを深めてほしいと願い、長谷の「孝行猿」と東春近殿島の「親子猿物語」を取り上げた。地域づくり事業の一環として市の委託を受け、伊那ビデオクラブ(飯島尚美会長、30人)が制作した。
原画を紙芝居のようにビデオカメラで撮影し、語りなどは地元の高校生や劇団メンバーらの協力を得た。
会場には観客300人が詰めかけ、親子の愛情の深さを描いた作品に見入った。猿が動くなど静止画が映像のように流れる場面もあり、技術の高さをうかがわせた。
また、05縲・7年にかけて撮影した、新山区に生息する世界一小さいトンボの記録「ハッチョウトンボの生態と保護」や、クラブ員河野恒さんによる「俳人・井上井月」も上映。
飯島会長は「資料収集、シナリオ作成、撮影、編集など苦労したが、多くのことを学ぶことができた」と話し、民話の伝承やハッチョウトンボの保護育成につながることを期待した。
市は3月中に猿の絵物語などを収めたDVDを市内の小・中学校、保育園、図書館などへ配る。