岩波書店元会長の小林勇さんを語る講演会
店員として岩波書店に入店し、ついには会長にまでなった駒ケ根市赤穂中割出身の故小林勇さんを語る講演会が8日、駒ケ根市の赤穂公民館で開かれた。市内の3公民館でつくる市公民館協議会主催。会場を埋めた約200人の聴衆は、同じく駒ケ根市出身で同書店の元専務、今井康之さんが語る郷土の英雄の話に熱心に耳を傾けた。
今井さんは小林さんの生い立ちについて「小学校のころはわんぱく。いつも威張っていなければ気が済まない負けん気の少年で、けんかもしょっちゅうしていたようだ」などとエピソードを紹介=写真。「太平洋戦争中には、治安維持法違反の疑いで特高に拷問を受けたが、頑張り抜いて大義を守った。あの戦争は間違っていたとはっきり言える頑固で立派な人だった。そういう人を駒ケ根が生んだことを皆さんもよく知っておいてほしい」と呼び掛けた。
小林さんは1903年生まれ。17歳で岩波書店に入店し、岩波文庫創刊にかかわるなど活躍した。81年、78歳で病没。