トリクロロエチレン住民説明会
昨年、駒ケ根市赤穂町四区の北の原工業団地内にあった旧龍水社赤穂工場跡地(現トヨセット駒ケ根工場)の井戸水と土壌の一部から環境基準を超えるトリクロロエチレンが検出された問題で駒ケ根市は、今後汚染が進行することはないと考えられる竏窒ニして、計画していた地下水の浄化を行わない方針を明らかにした。13日夜、月花町協同館で開かれた周辺住民の代表者らでつくる北の原工業団地地域連絡協議会(小原恒敏会長)への説明会で伝えた=写真。出席者らは方針を了承。一般住民には今後回覧板などを通じて周知していくという。
土地を所有していたJA上伊那(上伊那農業協同組合)は汚染土壌の浄化をすでに終えているが、一方で汚染地下水(動きの少ない泥状の汚染層)の浄化作業は昨年から約2年間かけて行うとしていた。浄化中止の理由として「環境基準は超過しているものの改善されている。2次生成物も検出されるなど、トリクロロエチレンは分解が進んでいる状況だ」として、今後2年間、年4回のモニタリング調査を行っていく竏窒ニ説明した。
同地の地下水のトリクロロエチレンは、国が定めた環境基準の1リットル当たり0・03ミリグラムを大きく超える10・0ミリグラムが検出されたが、07年9月の検出値は最高1・0ミリグラムとなっている。
トリクロロエチレンはドライクリーニングの染み抜きや金属・機械の洗浄などの用途に使われる有機塩素系溶剤の一種。人体に対しては皮膚や粘膜への刺激、頭痛や倦怠感などの症状を生じさせ、高濃度を摂取すると死亡することもある。