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箕輪町
童謡唱歌けやきの会

 ピアノ演奏が流れる部屋に、会員が次々と集まってくる。「こんにちは」と笑顔であいさつを交わし、演奏を聞きながら和やかにおしゃべりして始まりの時間を待つ。
 02年、地域の中にあった、童謡唱歌の会立ち上げを願う声を受け、歌の好きな50人が集まって発足した。現在は女性のみ44人が、町文化センターで月2回活動している。
 「童謡唱歌は懐かしい歌。皆さん本当に楽しそうに、時には子どものころの情景を思い浮かべながら歌っています」
 指導するのは町内在住で全日本音楽療法連盟認定の音楽療法士・笠原正純さん。歌は呼気法でしっかりと息を吐く。話をすると息が出ることから、開始前におしゃべりしてもらおうと、笠原さん自らピアノを弾いて会員を迎える。
 「童謡唱歌を歌うことで過去のことを思い巡らすと同時に、生きる力や勇気付けを大切にしている」と笠原さん。歌うことが苦痛にならないように、高音域の歌は移調し、テンポもゆっくりにして指導。また、例えば唱歌「かかし」では、歌詞の「山田の中の一本足のかかし」の一本足を、交通事故で足を失った方のことを考え「おしゃれなかかし」と歌うなど歌詞にも配慮しているという。
 毎回、「童謡」と「唱歌」それぞれの本から季節の歌も含め選んだ曲と、会員のリクエスト曲で約10曲を歌う。3月の会では「春よ来い」「うぐいす」「早春賦」など春の曲に、「銀色の道」「翼をください」などのリクエスト曲を歌った。
 表現力を付けるため、胸をたたく、息を吐く、あごを前後に動かす、「レロレロ」と続けて発音するなどのトレーニングもしている。
 発表の場は、町の文化祭。日ごろ歌っている曲の中から3曲くらいを選び、本番1カ月ほど前から集中して練習し皆でステージに立つ。
 「一番最初のときは緊張したけど、だんだん慣れてきた。先生が上手に引っ張ってくださるし、大勢で皆さん一緒だから。団体の強みですね」
 発足から6年。大きな舞台を楽しむ余裕も生まれ、歌声はますます明るく輝きを増している。(村上裕子)

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