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2511/(月)

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吉瀬幸雄さん(41) 駒ヶ根市下平

伊那東部中学校吹奏楽部顧問

 「ありがとうございました」竏秩B20日、定期演奏会を無事に終え、会場に向かって頭を下げる吹奏楽部のメンバー34人。その傍らで、一回り大きく成長した生徒たちの姿に目を細めた。
 「素直に『ありがとうございました』と言える気持ちを大切にしたい。演奏を聞きに来てくれた人、その会場を提供してくれた人など、自分たちを支えてくれた人がいるから演奏できることを感謝して」
 音楽を好きになったのは小学校のとき。「音楽の先生の授業が楽しかった」のがきっかけだ。所属した中学校、高校の吹奏楽部ではサックスを担当。進学した信州大学教育学部音楽科では、何らかの形で音楽に携わりたいと音楽教諭を目指して勉強した。伊那東部中は5校目の赴任校。新年度で5年目になる。
 「教師になりたてのころは手探り状態だったが、今では音楽を通じて子どもたちを育てていきたいと思っている。自分の気持ちを素直に伝えることができれば、音楽も素直に演奏することが出来る。人間の肉体、心の成長がその生徒の音楽を良いものに変えていくのだと思う」
 2年前、部員たちの技術や集団力の向上を目的に、人前で演奏する機会を作りたいと行い始めた定期演奏会は本年度で3回目。コンクールの課題曲やサックス4重奏、金管8重奏などのアンサンブル曲、文化祭で披露した現代ヒット曲、アニメ曲など16曲を演奏した。
 「1月から取り組んできた、一人ひとりの練習の成果を感じた。自分たちの演奏を聞いてもらいたい、『やってやるぞ』という意気込みが目の輝きに表れていた。私の思いを生徒たちが理解し、それを返してくれたこともうれしかった」
 8月初旬にある全日本吹奏楽コンクール地区予選に向け、新1年生を迎え、新たなスタートを切る東部中吹奏楽部。「それぞれの頑張りで定期演奏会は成功したと思う。しかし、それで満足してはいけない。10回の練習と1回の本番は同じ緊張感。この気持ちを持って、夏につなげて取り組んでほしい」と今日もタクトを振る。
自分たちの精一杯の演奏を披露した定期演奏会(20日、伊那市民会館)

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