青島堤防でソメイヨシノ45本を植樹
桜並木復活へ
伊那市美篶の三峰川右岸堤防(青島堤防)で22日、桜並木復活の記念植樹があった。市が進める「日本一の桜の里づくり」事業の一環で、地元の青島区民や美篶小学校児童ら約300人が参加し、ソメイヨシノ45本を植えた。数年後には約150本の桜並木が楽しめるという。
06年7月の豪雨災害に伴い、天竜川の河床掘削工事の土砂を活用し、堤防沿いに桜を植えるための第2堤防(長さ450メートル、幅3メートル、高さ2縲・メートル)を設けた。
参加者は残雪の中央アルプスをバックに、高さ2・5メートルのソメイヨシノを1本ずつ丁寧に植えた。
桜並木の復活を願う青島区桜堤防復活推進委員会の若林徹男委員長(70)は「青島は三峰川の濁流との闘いで、桜は鑑賞用だけでなく、災害防止の役割もあった。復活は感無量」と喜んだ。
青島堤防の桜は大正時代、地元の橋爪定太郎氏が堤防強化などを目的に、私財を投げ打って桜を植樹。昭和30年代に120本あったが、1972年ごろ、川砂利の採取で堤防が運搬道路になったことから伐採され、40本が残っただけ。地元区民や小学生らが桜の保護や植樹などに取り組んでおり、天竜川上流河川事務所の理解を得て桜並木の復活が実現した。管理は地元区民が当たる。
橋爪氏の孫、剛健さん(71)は「皆さんに、高遠城址公園へ続く桜並木を楽しんでもらえると思う。墓参りをして報告したい」と感慨深げだった。