春の高校伊那駅伝 全国130チームが力走
伊那谷に春の訪れを告げる男子第31回、女子第24回の「春の高校伊那駅伝」(県高校新人駅伝競走大会)は23日、大会始まって以来最多となる県内外の男女計130チームが出場し、健脚を競った。沿道では地元住民が各種イベントを繰り広げ、高校生ランナーに声援を送った。
大会は、伊那市陸上競技場を発着点に市街地を通る男子6区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロのコース。81チームが出場した男子は佐久長聖が2時間6分45秒の大会新で3年連続5度目、49チームで競った女子は立命館宇治(京都)が1時間10分28秒の大会新で2年連続12度目の優勝を飾った。
上伊那勢は、男子で伊那北が2時間29分1秒で県内4位入賞(総合58位)。上伊那農が同8位(同63位)、伊那弥生が同10位(同67位)で、女子の伊那西は県内11位(総合47位)だった。
コースは前回から市街地や高遠町を駆ける新コースに変更。沿線では、地元商店街でつくる団体がPRタペストリーや横断幕を大会前から飾り付け。当日は7会場で地元太鼓グループや伊那西高校吹奏楽部が演奏したり、美篶青島区では住民が出場校の名前を記した手作り凧を上げたりと、大会を盛り上げた。
伊那北 県内4位入賞
目標に掲げた県内3位以内には届かなかったが、松沢監督は「チャレンジャーとして、全国の選手を相手に積極的なレースをすることができた」と4位入賞をたたえた。今大会を終え、チームがそれぞれの課題を確認。上位を狙う今秋の県高校駅伝に向け、一人ひとりが飛躍することを誓った。
スタートダッシュで出遅れた伊那北だったが2区春日が県内3位の快走、3区村上が県内5位の走りでチーム浮上のきっかけを作った。前回大会、インフルエンザにより出場を棄権した春日は今大会が初出場。「地元の応援が励みになり、気持ちよく走れた」と振り返った。
ペース配分を考えず積極的なレースを心がけたため、各選手が終盤で失速する場面が目立った。「それぞれ力のなさを実感したと思う。1年生中心のチームなので、これから鍛えていきたい」と松沢監督。村上主将は「高い潜在能力を持っているチーム。秋に向け、ステップアップ出来るよう課題を克服していきたい」と意気込んでいる。
伊那西 「地元の声援力に」大きな経験
伊那西は上伊那勢唯一の女子チームとして8年連続の出場。短距離選手中心の構成となったが、「力を合わせてたすきをつなごう」と力走した。それぞれコンディションが悪く、結果は前回より順位を4つ落とし県内11位。それでも選手たちは「みんなの心を一つに出来た」と大きな経験を手にした。
山岸主将は「みんなの支えがあったから走れた。地元の『伊那西頑張れ』の声援に勇気付けられた」と周囲に感謝。田中監督は「目標は達成出来なかったが、一人ひとり、この雰囲気の中でよく戦った。チームワークを強化するよい機会になった」と選手らをねぎらった。
上伊那2選手 佐久長聖3連覇に貢献
3年連続5度目の栄冠に輝いた佐久長聖。上伊那からは4区千葉(箕輪中出身)と5区平賀(赤穂中出身)の2選手が出場し、チームの優勝に貢献した。
春の高校伊那駅伝初出場の平賀は19分44秒の区間優勝。「後ろが離れていたので、落ち着いて自分のペースで走れた。しかし、目標タイムは19分30秒だったので、まだまだ力不足を感じる。チームの目標だった優勝が出来てうれしい」と笑顔で話した。