駒ケ根病院縮小へ
10年間で約7万人の精神障害者の退院と社会復帰を目指すとする国の方針(02年9月)を受けて精神科・神経科の県立駒ケ根病院(樋掛忠彦院長)は、施設を全面的に建て替え、現在の5病棟235床を4年間で3病棟128床に縮小して「県立精神医療センター」(仮称)とする計画を25日に開いた第1回駒ケ根病院運営協議会で発表した。救急入院にも対応する24時間体制を整えるほか、医療観察法に基づく小規格病棟(5床)も設置する。
計画は県が設置した駒ケ根病院改築マスタープラン作成委員会が07年3月に行った提言に沿ったもので、基本設計などに関する予算案は2月県議会ですでに可決済み。実施の第一段階として今年6月末に1病棟を閉鎖。退院支援を促進しつつ、順次病棟を縮小していく。09年4月に解体工事に着工し、12年3月に供用開始する見通し。総事業費は約42億円。
協議会で樋掛院長は「患者の退院支援を行っていく中で、病状の安定した長期入院患者の受け入れをお願いすることも予想される」として、関係する医療機関や市町村に対して理解と協力を求めた。
同病院は1956年に精神科単科病院として4病棟、230床で開設したが、近年は建物の老朽化による居住環境の悪化が問題となっていた。