伊那消防署 最先端の通信指令システム運用開始
伊那市の伊那消防署は28日、老朽化した通信指令システムを更新し、運用を開始した。GPS(全地球測位システム)付き携帯電話からの発信位置を特定するなどの「IP電話・携帯電話位置情報通知システム」を県内で初めて導入。最先端技術によって災害、救急活動の充実を図っていく。
1991年に導入したシステムが老朽化したため更新した。これまでのシステムは119番通報を受け、出動場所を地図で検索するのは1件ずつの対応だったが、新システムは4件同時に行うことが可能。出動隊への指令は今まで通信員が行っていたが、これからは音声合成装置が担い、迅速、確実に情報を伝える。総事業費は7623万円。
運用開始式で伊那消防組合長の小坂樫男伊那市長は「新システムを使い災害への迅速な出動態勢、救急への救命率の向上に努めて」と期待。唐沢三喜男署長は「機器の能力を最大限に活用し、地域住民のために役立てていきたい」と意気込みを語った。
運用開始を前に新しい通信指令システムの概要説明を受ける小坂伊那消防組合長ら(28日、伊那消防署)