宮田村議選新人に風吹かず、住民の関心低下課題に
任期満了に伴う宮田村議選は30日に投開票し、・ス草の根・ス的な支持の広がりに期待した新人3候補は票を伸ばせず、1人が落選する厳しい結果となった。投票率は1960年以降の同選挙で最低の75・87%。この辺りからも浮動票を頼みにした3氏に風が吹かなかったことが分かり、地域を軸にした組織型選挙の壁は厚く立ちはだかった。一方で公開討論会が村商工会青年部の主催で初めて開かれるなど、関心を寄せようとする住民の動きも一部に芽生えてきており、今後の議会、村政にどうつなげるか選ばれた村議の真価が問われる。
新人4人のうち天野早人氏(29)、宮井訓氏(46)、大石智之氏(25)の3人は地盤を持たない独自の選挙戦。「関心がなく、候補の顔も名前も知らない。そうなると自ずと地元の候補に流れるでしょ」。結果を予想通りと受け止め、30代の有権者はつぶやいた。
告示前に13候補全員が出席して開かれた公開討論会。準備が短かったことも重なったが、300人定員の会場は空席が目立った。
しかし、各候補の訴えを会場で聞いた複数の村民は新人の演説を評価し、中高年の人たちからも「考えが現職よりもまとまっている」と声が聞かれた。
270票を獲得し3氏の中では最も票を集めた天野氏は当選を決めた直後に「結果は厳しいが、組織に頼らない新人3人をあわせれば600近い得票。現状打破の期待票が確実にあり、当選した私たちがそれに報いていかねば」と話した。
「20代の候補が出馬したのに若者の関心が高まらない」とされた今回の選挙だが、結果的に年代問わず住民の関心を村政に引き寄せる難しさを改めて浮き彫りにした。複数の当選者は村政の情報公開、透明性を説くが、受け止める住民の意識形成なしに自立のむらづくりもおぼつかない。