民間登用ならず
駒ヶ根市副市長に元職員の清水亀千代氏が就任
1ヶ月以上空席となっていた駒ヶ根市の副市長に10日、元市職員でこの3月に定年退職した清水亀千代(きちよ)氏(60)=写真=が就任した。同日開かれた市議会臨時議会で、杉本幸治市長が清水氏を副市長に選任する人事案件を提示。今年1月の選挙戦で杉本氏は「副市長は外部からの登用」をマニュフェストに掲げていただけに、議会からは批判が相い次いだが、最終的に賛成多数で可決。しかし、杉本市長の政治姿勢への不満は残す形となった。
杉本市長はまず、3月議会に副市長の人事を提案できなかったことを陳謝。その上で「経済、地域医療の問題など喫緊の課題がある今、これらに的確に対応できる人をと熟慮を重ねた。清水さんは商工観光を中心にその時々の経済情勢に応じてきた。それらの経験を持って私を支えてくれる適任者だと思う」と説明。
これに対し馬場宣子議員は「なぜ外部からの登用をと思ったのか。前政権を一新し、行財政改革を推進するためでないのか」と、元職員の登用に疑問をぶつけたほか、菅沼孝夫議員は「杉本市長の政治姿勢に疑問を持つ。説明責任を果たす気はあるのか」と言及。
これに対し、杉本市長は「時代が変わろうとしている今、行政にも民間経営の感覚が求められていると思い、民間登用を掲げた。この2カ月間、清水さんにはいろんな面からサポートを受け、さまざまな話をしてきたが、産業関係者とのつながりもあり、経営感覚もある。また、長年庁内に勤めた経験から職員を引っ張っていく能力もある。その力に期待したい」とした。マニュフェストについては「この4年間でどれだけ実現できるかが大切だと考えている。長い目で見守ってほしい」と理解を求めた。
清水氏は1966年、市役所に入庁。総務部企画財政課長、産業部長、産業振興部長、総務部長などを歴任し、この3月に退職した。
取材に対し、杉本市長は「今回の人事は当初求めていた外部とは異なるが、求める人材という部分で最終的に清水さんに決めた。マニュフェストは常に重視しなければならないと思っているが、この一部分だけを見るのではなく、4年間でどれだけ実現できたかという点で評価していただきたい」と語った。
清水氏の任期は4月10日から4年間となる。