風船メッセージの返事を保管 52年目に対面
1956(昭和31)年10月、伊那中学校1年2組が飛ばした風船を拾った群馬県富岡市の斉藤朝男さん(82)が12日、来伊した。当時の生徒は64歳。伊那中学校前に、22人が集まり、52年目にして初めての対面を喜び合った。
斉藤さんは山へキノコ採りに行き、赤い風船を見つけた。返事を書いて送ったあと、生徒46人から斉藤さんのもとに手紙が届いた。その後、全く交流はなかったが、年齢を重ね「手紙を返したい」と伊那中学校を通じ、当時の生徒と連絡を取り、対面が実現した。
斉藤さんにとって手紙は宝物。「ちょいちょい見ていた。ぼつぼつ返しに行こうかと思いながら10年、20年と過ぎてしまった。手紙を返せて晴々とした気持ち」と話し、当時担任だった西村幸男さんに手紙の入った封筒を手渡した。
ほとんどの人が理科の実験で風船を飛ばしたことを忘れていたが、長年、保管されていた手紙を広げ「まさか群馬まで行ったとは思いませんでした」などと書かれた懐かしい文面に目を通した。
斉藤さんは、妻と二男夫婦の4人で訪れ、名刺代わりに手作りコンニャクをプレゼント。
同クラスは11月に同級会を開く計画で、斉藤さんを招待する予定という。