やきもち踊り
伊那市山寺区の八幡社白山社で13日、県無形文化財の「やきもち踊り」があった。
「やきもち踊り」は酒盛りと踊りを繰り返し、踊り終わると鳥居から一目散に走り出す奇祭で、江戸時代に伊勢参りに行った人たちが習い、例祭で奉納したのが始まりといわれている。歌詞に「大津の浦はヤレコリヤ焼きもちがはらんで…」とあり、その名がついたとされる。
今年は羽織はかま姿の保存会員ら35人が円なり、手を上げ足を上げ、ユーモラスに踊った。踊りは前踊り・中踊り・後踊りがあり、合間の酒宴では刻みたばこをキセルでふかし、串焼きのアユをさかなにどぶろくを飲んだ。
境内には踊る家族の姿を見にきた地元住民や、珍しい踊りを写真に収めるために訪れたアマチュアカメラマンなど大勢の見物客が集まり、振る舞われた酒や魚を味わった。
最後の後踊りが終わると、踊り手たちは一斉に走りだした。逃げ遅れると厄病にかかると伝えられ、我先にと鳥居を駆け抜け道に飛び出した。