三峰川右岸の農地を潤すための虹橋しゅん工式
伊那市高遠町の三峰川に架かる県営かんがい排水事業の水路橋(通称虹橋)のしゅん工式が19日、現地であった。三峰川右岸の農地を潤すための幹線農業用水施設で、出席した三峯川沿道土地改良区連合、市の関係者ら約50人は14年の歳月をかけた事業の完了を喜んだ。
虹橋は美和ダム、高遠ダムを主水源に、農業用水として市内美篶、手良一部の農地約1140ヘクタールに供給している。事業は地域農業経営の安定化を図るため、94年度に着手。1958(昭和33)年の建設から45年以上が経過し、老朽化した虹橋の補修補強のほか、ずい道2・3キロ、水路3・9キロを改修した。総事業費は12億2300万円。うち虹橋(04縲・7年度)は2億4700万円。
虹橋の延長は98メートルで、幅員は2メートル。最大で毎秒5トンの水が流れる。水路上には、管理道路を兼ねた歩道を設け、歩行者や車いす、自転車で通行できるようにした。国道361号と虹橋を結ぶ三峰川右岸の取り付け道路(延長66メートル)は市が施工。事業費は6千万円。
三峯川沿道土地改良区連合の矢野源嗣理事長は「虹橋は三峰川沿岸の農業を支えてきた。厳しい農業情勢だが、力を合わせて地域農業の発展のために努力したい」と述べた。
次代に誇れる三峰川を実現するための「三峰川みらい計画」で、虹橋付近は「渓谷の自然を保全し、自然と水を回復させるエリア」として位置づけられる。