春山登山シーズンに合わせ、中アで遭難救助訓練
春登山が増える時期に合わせて、市民ボランティアでつくる中央アルプス山岳救助隊(唐木真澄会長)と駒ケ根警察署県警山岳救助隊が19日、中央アルプス千畳敷付近で遭難救助訓練を実施した。18人の隊員が参加し、自分自身の身を守りながら遭難者を安全に救助する方法を確認した。
訓練は普段は個々に活動している個々の隊員が雪山での救助に関する知識を共有するとともに、意志疎通を図ることなどを目的としている。例年5月にしていたが、今年は残雪の多い4月に早めた。
今年は滑落事故の発生を想定し、捜索、救助、搬送までを訓練。遭難者を搬送する訓練では、専門的な機材を用いず、身近な装備品を代用して搬送する方法を用いた訓練を展開し、遭難者を搬送する時には自分たち自身がなだれに巻き込まれないような安全な場所を確保すること、搬送している間も声をかけるなどして遭難者の顔色を確認しながら行うことなどを確認した。
唐木隊長(64)=伊那市西春近=は「今年、中アは残雪もかなり多い。春登山などで入山する人は天候を見極め、重装備で臨んでほしい」と話していた。
昨年駒ケ根警察署管内で発生した遭難は死亡事故2件を含む6件。千畳敷カール東側下斜面は絶えず雪面が凍結しているが、南アルプスの眺望が良く、写真愛好家などが入り込むことも増えており、滑落事故も発生している。また今年は特に残雪が多く、雪庇(せっぴ)となっている場所も多いという。