伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委員会、候補地の認識に誤り - 上山田区域には下山田区域を含んでいた -
上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の建設候補地の一つとして、伊那市の用地選定委員会(伊藤精晤委員長)が検討してきた高遠町上山田区域。その建設用地として市が見積もった2万9千平方メートルのうち、約1万3千平方メートルは隣接区の下山田地籍であることが28日までに分かり、市は同日の委員会で「これまで十分に確認してこなかった事務局のミス」と陳謝した。これを受け委員会はこの日予定していた候補地の絞り込みを延期し、事務局が下山田に対し改めて候補地だったことを説明した後、候補地の絞り込みを進めることで合意。最終候補地の決定も延期せざる得ないことになった。上山田は候補地の中でも評価点数が高く、住民の反感が少ないなど、有力候補地の一つだったため、下山田の今後の動向が注目される。
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説明によると、当初市では対象候補地北側にある市道押出・小原線を両区の境界だと認識していたが、実際は候補地のほぼ中央を流れる水路が区境となっていることが今月25日に地域住民からの指摘で判明。市ではその翌日、下山田区長を訪問し、陳謝するとともに状況を説明した。
下山田区長は▽区民に下山田が候補地であることを周知した上でなければこれ以上話を進められないこと▽下山田区に対し、正式に候補地とし連絡することから始めること竏窒ネど、9項目にわたる意見を提出。
委員会では「これまで積み上げてきた経過もあり、事務局から改めて候補地としての説明をしてもらい、慎重に取り組むべき」といった意見に賛同し、これまで各候補地に対して行ってきた手続きを下山田に対しても行い、候補地の絞り込みを行うことで合意した。
これまで隣接地として見られていた下山田には、各候補地を示した地図が送付されていないほか、点数評価項目の確認もしていない。下山田からこれまでにない新たな情報が出てきた場合、内容によっては評価点数が変わることもある。
また「住民の理解度」を評価する項目については、委員会として市民全体に意見を求めるような意向調査などを行っておらず、また、あくまで評価は客観的に進めたいとの判断から、評価項目から除外することになった。