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地域と児童が伊那北駅前整備

地域と児童が伊那北駅前整備

 JR伊那北駅前広場の景観を伊那市の北の玄関口にふさわしく美しいものにしようと、駅周辺の商店主などでつくる山寺活性化協議会(矢野昌史理事長)と近くの伊那小学校5年夏組(浦野孝文教諭、33人)は協力して広場のいけすと緑地の整備に動き始めた。1日朝、約50人が現地に集まり、児童らは草むしりやいけすの掃除、協議会役員は枝打ちや不要木を取り除くなどの作業に当たった。ヤナギやツツジは残し、生い茂っていた低木約30本を重機で撤去した。緑地の面積は約70平方メートル。参加者らは「意外と広くて思ったよりも大変」などと話し合いながら作業に汗を流した=写真。
 夏組の児童らは昨年4月の社会科授業の一環でごみと環境について調べたことがきっかけで、駅前広場の状態に着目。「いけすの水が汚い」「ごみがたくさん落ちている」などの声が出る中、6月の伊那北高校文化祭「ペン祭」のいけす利用を考えるワークショップにも参加して問題意識を深めた。維持費などの問題からいけすを取り壊すこともあり得ると聞き、市長に手紙を書いて維持を嘆願したことも。「このままではいけない。自分たちで行動を起こそう」と10月からは自主的に週1回の清掃をする一方、協議会と駅前再生構想について話し合ってきた。
 浦野教諭は「これからここをどんなふうにするのかは子どもたちに任せている。芝生を植えるとか、花壇をつくるとかのアイデアが出たが、地元の人たちと話し合いながら良い方向を決めていってほしい」と児童らの活動を温かく見守っている。
 同協議会は昨年、付近に学校が多いことから駅周辺を学生の街と位置付ける「学生の街ビジョン」構想を立ち上げた。今回の作業はその最初の取り組みでもある。矢野理事長は「子どもたちの気持ちがうれしい。一緒に考えながら、市民みんなに愛される駅前公園にしていきたい」と話している。

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