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桑原の滝に遊歩道、歴史ある名瀑より身近に

桑原の滝に遊歩道、歴史ある名瀑より身近に

 中川村の山あいを流れる四徳川の桑原の滝へ向かう遊歩道が完成し6日、披露を兼ねた散歩会が開かれた。県道から気軽に入山、散策できるようになり、村内を中心に約40人が参加。1961(昭和36)年の「三六災害」により、同地を離れることを余儀なくされた松川町の女性も参加して昔を懐かしんだ。
 村が県の地域発元気づくり支援事業を活用して約300万円かけて整備。NPO法人山里の暮らしと豊かな森を守る会が手がけ、除伐材も活用しながら快適な約300メートルの遊歩道へと生まれ変えた。
 それまでは木々が生い茂り入山は容易ではなかったが、一の滝を経由して二の滝をたどるコースも。
 この日の参加者も親子連れが目立ったが、50種に及ぶ広葉樹林に名札をつけながら楽しく散策し、水量豊富で落差ある美しい滝の姿を堪能した。
 「少し大変だったけど、滝がすごかった」と同村南原の小学2年生竹内優貴君と弟で園児の智貴君。母親の緑さんは「滝の存在を聞いたことはあったけれど見るのは初めて。気持ちがいいですね」と話した。
 遊歩道が整備された近くはかつて集落があったが、三六災害の被害により廃村に。
 移住者のひとりで松川町元大島の山本芳子さん(80)は遊歩道ができたと知って駆けつけ「この辺りには12戸あった。滝の頭を通って田んぼに行ったものだが、今は変わってしまったね」と感慨深げだった。

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