伊那市正副議会議長をめぐる駆け引き
伊那市議会の議長選挙には3縲・人が立候補するとみられていたが、ふたを開けてみれば2人のみ。最大会派の会長、中村威夫氏が難なく当選を果たした。
現在の会派は▽政和会(中村威夫会長、7人)▽新政クラブ(伊藤泰雄会長、6人)▽平成クラブ(馬場秀則会長、6人)▽日本共産党(柳川広美団長、3人)▽公明党(前田久子団長、2人)▽市民会議(新井良二会長、2人)竏窒フ6会派。
議長選に向けては、所属人数上位の3会派を中心に各会派の間で水面下での駆け引きが繰り広げられてきた。当選回数や年齢、会派の人数の多少などの要素が複雑に入り組んで誰が出馬するかの調整は難航し、結論は投票の直前までもつれ込んだようだ。
最も早くから意欲を見せていたのは平成クラブの馬場氏といわれるが、会派内でも同氏を推すことに反対する声が上がるなど、意思統一を図り切れなかったもよう。
政和会会長の中村氏と新政クラブ会長の伊藤氏はそれぞれの会派の後押しを受け、満を持して議長レースに名乗りを上げたが、両会派はともに保守系で政策や主張に似た部分も多いことから、戦いの過熱が対立にエスカレートすることを心配する声も一部にあった。戦いに勝ち抜いて首尾よく議長の座を得たとしても、万一しこりが尾を引くことがあっては今後の議会運営に支障が生ずる竏窒ニする思惑がはたらいた結果、議長と副議長の席を両氏で分け合う案に落ち着くことで最終的に双方が納得したものと思われる。
共産党も他会派からの得票を望めないのは承知の上で正副議長に各1人を立候補させたが、予想通りの結果に終わった。
上伊那の中核都市である伊那市の議長はさまざまな場面で市の顔となる重要な職責だけに、その責任は相当に重い。合併から2年がたち、さらなる発展が望まれるこれからの数年間。将来に向けての新たな課題も見えてきた時期だけに、両氏の政治手腕に大きな期待がかかる。
(白鳥文男)