通り町が防災マップ作成へ
伊那市の通り町自主防災会(加藤重一会長)は本年度、災害が発生した場合に備えて防災マップを作成する。住民らが知恵を出し合い、災害発生の際に避難が遅れがちとなる高齢者らを安全に非難させるための「要援護者支援マップ」と、地区内の危険個所や避難所などを記入した「防災マップ」を来年3月までに完成させる計画だ。
14日夜、初めての打ち合わせ会合を伊那市生涯学習センターいなっせ内の荒井区会議室で開き、隣組や民生委員、消防団、日赤奉仕団の代表者など約10人がマップ作成の基礎知識を学んだ=写真。講師として招かれた県危機管理局危機管理防災課上伊那駐在の伊藤秀雄防災対策推進員は、通り町の特徴として▽古くからの人間関係がある▽昼夜で住民が異なる▽通行の利便性が高い▽新旧の建物が混在している▽中心市街地の割に広い場所がある竏窒ネどを挙げた。想定すべき災害として「最も心配なのは豪雨による洪水と大地震だが、ほかにも火災、事故などがある」とした上で、マップ作成について「いろいろな状況を想定して皆で意見を出し合うことが大切。地図を完成させることよりも、その過程にこそ情報共有化の意味がある」と話した。
加藤会長は「通り町ならではの特性を考慮した、実際に役に立つマップをつくって引き継いでいきたい。必要ならほかの地区との連携や協力も考えたい」と話している。