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花ろまん38桜草

なんと雅な桜草ものがたり

花ろまん38桜草

 「井筒」「青葉の笛」「衣通姫」「光源氏」「石橋」なんと雅な、ゆかしき名を持つ、桜草たち。能や謡、中国の古事から名付けられた、その由来に思いを馳せながら花を鑑賞する豊かなひととき。江戸時代に武士階級に愛され、園芸化され、幾多の戦災を乗り越え、300年の栽培の歴史を持つ花。野生の桜草の自生地が環境の変化などで、次々と姿を消す中で、園芸品種は多くの愛好家により、盛んに新しい花が誕生している。花色は紅、白、桃、紫、淡紫、トキ色、絞りと多彩。咲き方も平咲き、浅抱え咲き、梅咲き、盃咲き、狂い抱え咲き、星抱え咲き、つかみ咲き、玉咲きといろいろ。さくらそう会の認定品種だけでも約300種類ある。今回は駒ケ根市立博物館ロビーで先ごろ開かれた南信さくらそう展を取材。上伊那の愛好家が育てた180種類、200鉢の中から特徴的な花を紹介する。合わせて、小林省吾会長から、育て方、魅力などをお聞きした。参考図書・鳥居恒夫著、さくらそう会写真「色分け花図鑑、桜草」(大口国江)
◇桜草の歴史
 桜草は江戸・享保のころ(1716年縲・5年)、野生の桜草の中から、白花や絞りなど珍しい花が珍重された。やがて、種を蒔いて、実生の株から、より美しいもの、変わったものを選抜し、新品種が作出されるようになった。文化元年(1804年)には愛好家組織ができ、完成度の高い品種が生れるようになった。今回の展示にも最古の南京小桜をはじめ、岩戸神楽、錦鶏鳥など多くの江戸時代に作出された銘花が並んだ。
 1952年、さくらそう会が発足、会員への苗の配布により、桜草は全国の愛好家に広まった。南信さくらそう会は15年前、信濃さくらそう会から、伊南さくらそう会として独立、5年前、飯田市と伊那市の仲間が加わり、南信さくらそう会に改名し、花の開花に合わせ、飯島町や駒ケ根市などを会場に展示会を開いている。
◇南信さくら草会会長
小林章吾さん(80) 
 「洋花のような華やかさはないが、桜色の花の色、花容の面白さ、いくら見ていてもあきない、奥の深い花」
と魅力を。
 桜草は耐寒性はあるが、乾燥に弱い。植付けは11-2月。用土は排水がよく、保水力のある土。小林さんは田の土と腐葉土、山砂を等量に、赤玉土を小量混ぜる。植付け後は乾燥防止のため、むしろをかぶせる。3月発芽、毎日水やりを続けると、4月中旬に花芽分化、桜の花が咲くころ、可れんな花を咲かせる。
 花の盛りは3日と短く、鑑賞した後は、来年良い花を咲かせるために、花後の手入れも手が抜けない。花がら摘み、土入れ、お礼肥、地上部が枯れても、毎日水やりが必要。
「さくらそう会では苗は売買しないが、最低でも20縲・0鉢を栽培できる意欲のある会員を募集している。会員になると、仲間から無償で苗が提供される。愛好者を増やし、品種を保存していきたい」と、会員を募集している。(TEL86・2821)

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