しだれ栗公園に桜草の群生の復活を夢見て
南信さくらそう会が自生種を植栽
飯島町や駒ケ根市などの愛好家でつくる南信さくらそう会(小林省吾会長)はこのほど、辰野町小野の国指定天然記念物しだれ栗公園の草地に、自生種の桜草150ポットを植栽した。
小林会長によると、10年前、公園の小川のそばの湿地帯約7平方メートルには濃いピンクの桜草がぎっしりと咲き、その中に白花も混じっていた。「こんなすばらしい群生は見たことがない、本当に感動した」
しかし、一昨年、小林会長の案内で会員が現地を訪れたところ、ほとんどが姿を消し、絶滅の危機にひんしていた。そこで、小林会長は以前、知人から分けてもらった同公園の自生種の1鉢を繁殖させ、会員にも協力を呼びかけ、株分けで増やした。
植栽作業には会員6人と、地元辰野町の赤羽敬一さん(元町議会議長)や公園関係者も参加。かつての群生地の雑草を取ると、わずか1縲・株の白花とつぼみの紅色を発見した。会員は見事な群生地がよみがえることを願いながら、丁寧に植えつけた。
今後、早春の草取り、花後の管理、夏の草刈りなどは地元の協力を得ながら、会員が担う。また、会は辰野町にくい打ち、ロープ張りなど、踏み荒し防止策を講じるように要請した。
小林会長は「天然記念物のしだれ栗の芽吹きを、その下を流れに沿って咲く、かれんな桜草が一段と引き立てくれるのでは」と期待する。
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しだれ栗公園で桜草を植栽する会員ら