赤穂高校定時制、人権学習で川田悦子さんの話を聞く
駒ケ根市にある赤穂高校(米山明広校長)定時制で21日夜、人権学習講演会があった。薬害エイズ問題の真相究明を求める運動の先頭に立って活動してきた川田悦子さん(59)が、血液製剤からエイズに感染した次男・龍平さんとともに歩んできたこれまでを振り返りながら、「自分らしく生きる」について語った=写真。
龍平さんが遺伝性の病気「血友病」だと分かったのは生後6カ月の時。その後、血液製剤での治療を続ける中、米国から輸入した血液製剤により、龍平さんは10歳の時にエイズに感染していることが分かった。
当時はまだ、エイズに関する治療研究も進んでおらず、川田さんはどうしようもない不安感のため、毎日涙する日々だったが「息子の命をなんとしても守りたい」という一心で東京大学医科学研究所に息子のエイズ治療を依頼。川田さんはそのことを龍平さんにも告知した。
川田さんは「そのとき息子は『お母さん、ぼくエイズになったら自殺する。これ以上苦しみたくない』と言った。私は『そんなこと言わないで』としか言えなかったが、心の中でなんとしても、どんなことがあってもこの子と行きぬこうと思った」と語り、その後も龍平さんとともに薬害エイズと戦ってきた日々を説明。生徒たちはその話に真剣に耳を傾けていた。
龍平さんとは現在、参議院議員として活動している。