日本画家、千村俊二さん(61
飯島町本郷出身、春日井市在住
「飯島町や駒ケ根市など故郷では10回ほど個展を開いたが、その都度、町内の知合いや高校の同級生などに応援して頂いている。故郷のみなさんは情に厚く、助けられている」。
現在、飯島町のJR飯島駅前ヤナギヤアミカホールで「自然との出会い」をテーマに「日本画展」を開催。
会場には雪深い八甲田山に分け入り、スケッチした大作「雪晴れ」。小雪降る中で凛と咲く「寒牡丹」。大鹿村の青いケシ畑で描いた「青いケシ」。萌黄色のバックに白い花が新鮮な「浜ゆう」。足元の小さな花にも目を止め、丁寧に描いた「シャガ」「シュウカイドウ」など花鳥図、富士山や赤石山脈など風景画などSMから50号の大作まで約40点がずらり。
1946年、飯島町本郷の日本画家、千村甫の次男に生れ、父の背中を見て育った。伊那北高校3年の時「画家は経済的には厳しいが、自分が努力すれば認められる世界。絵を描くことが好きで、父の影響もあり、日本画家を志した」。愛知県立芸術大学日本画科では風景、人物など基本を学んだ。同大学院修士課程の修了作品で描いた「海」が日本美術院展に初入選し「日本画でやっていこう」と進路が固まったという。以後、10年連続入選し、現在、院友になっている。「天然の岩から取り出した緑青(ろくしょう)、群青(ぐんじょう)など、光沢がなく、光を吸収する色の美しさ。油彩にも水彩にもない」と日本画の魅力を。
飯島町には実家があることから、年数回、スケッチに訪れる。「故郷は空気が澄んで緑がきれい。初夏の田んぼの早苗が風に揺らぐ、今の季節が最高にいい。この美しい自然をいつまでもと願っている」と話す。
個展は6月2日まで、開催中の21、24、25、6月1、2日には千村さんが来場する予定。(大口国江)
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