駒ケ根市文化財団理事長に就任
駒ケ根市赤穂町四区
小原恒敏さん(66)
駒ケ根市にはいろいろな土壌があり、各地区の文化もさまざま。建物(文化センター)に関わる文化だけに限らず、市民のみなさんがそれぞれに関わっている郷土文化の振興も考えていきたい竏秩B
この4月、駒ケ根市の文化の拠点である市総合文化センターと「おもしろかっぱ館」などの管理・運営を担う文化財団の理事長に就任した。
「突然の話だったから正直戸惑った」と語るが、駒ケ根市の郷土芸能「駒ケ根太鼓」に30年以上携わってきたほか、郷土芸能の振興や保存を目的として始まった「駒ケ根郷土芸能まつり」の発足当時から関わるなど、地元文化への思い入れは強い。
「以前は良い家に住み、生活水準の高い生活をすることが『文化的な生活』と言われていた。しかし、毎日の生活の中で花を見たり、鳥の声を聞いたりする中で『美しいな』と感じる心を育んできたのが日本の文化。金銭的な価値を追い求める文化ではなく、日本に合った文化を大切にしていきたい」
駒ケ根太鼓の活動では現在、子ども連の部会長として、小学生から中学生までの子ども約20人に太鼓を教えている。
体全体でリズムを感じながら、一定のリズムでバチを動かすのは子どもにとって難しいこと。しかし、年齢の垣根を越えて一緒に練習に励む中で、驚くほど早く上達していく。
それだけではない
。年上の子は、太鼓が上達すると、それを年下の子どもにを教えるようになる。そうやって上の子から太鼓を教わった子どもたちは今度、次に入ってきた子に自ら進んで太鼓を教える。
互いに協力し、敬い合う中で、心も大きく成長していく子どもたち。その姿を目の当たりにしながら、太鼓を教えるのは楽しい。
「初めての子でも、ほかの子どもと一緒に練習する中で、じきに覚えてしまう。子どもは子ども同士で育ち合うもの。そういう環境を作ってあげることも大切だと思う」
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市総合文化センターに関しては、市民にもっと利用してもらう中で、文化振興を図っていきたいと考えている。
「もっと人に来てもらえる機会が増えるよう、工夫できないか考えている。財団にはさまざまな文化を代表するそうそうたる理事の方々がいるので、みなさんの声を聞きながら、人がたくさん来れる建物になれば」
現在は農事組合法人「北の原」の代表として、忙しい毎日を送っている。過去には市議会議員として4期16年を務めた。すでに娘2人は新しい家庭を持ち、家を離れたため、現在は妻、三女との3人暮らし。