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観光ホテルの活路は?

 宮田村の第三セクター宮田観光開発(社長・清水靖夫村長)が08年3月期決算で5期連続の赤字となったが、改めて主力の宮田観光ホテルの厳しい経営状況が明らかになった。多額の長期債務と施設老朽化など同社の経営問題が表面化したのが赤字が始まった04年。その後、人件費削減など進め債務は当時より1億6千万円ほど減らしたが、観光業界全体が激しい競争のなかで、黒字化達成の難しさを伺わせている。
 観光ホテルの年間宿泊客は08年度に1万3184人。前年度に比べて5%、約630人減った。客室稼動率をみると、築43年の東館が20・4%、築14年の西館で37・5%。
 「設備構造が時代遅れ。限界もある」と同社は株主に対する営業報告で説明する。
 04年の定時株主総会。それまで同社の経営状況が問題視されることは少なかったが、長期債務を抱えながらホテルの改築構想が浮上したことで、一気に村全体の関心事に発展した。
 その後、社内外の有識者らによる委員会で民営化や分社化なども検討したが結局は困難として、三セクによる事業形態を継続。
 債務の状況から施設面の整備は難しいと判断し、接客や料理などソフト面を変えようとコンサルタントなども活用する。
 一方、複数の村民からは「努力してるのだろうけど行く機会もない」など厳しい指摘も。ある関係者も「かつての風評をかき消すことができていない」と話す。
 同村ではホテル周辺の西山山麓で観光活性を模索する動きが始まっており、地元好感度を高め、つながりを持った取り組みがさらに重要性を増しそうだ。

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