箕輪中学生が職業体験学習
箕輪町の箕輪中学校2年生(248人)は26、27日、職業体験学習を行なった。今年は町内外約110の事業所が生徒たちを受け入れた。
木下南保育園に職業体験に訪れたのは松本渚さん、毛利千早さん、太田若菜さん、宮沢麻里さん、金牧奈々香さんの5人。
松本さんは「昔は、よく弟たちの面倒を見ていた。もう一度小さな子どもたちと遊んでみたいと思い」、毛利さんは「東京の親戚に小さい子がいてよく遊んでいた。地元の子どもとも遊んでみたいと思い」、太田さんは「教育関係のことをやってみたかった。保育士という仕事にも興味がある」、宮沢さんは「保育園の先生になるのが小さいころからの夢。来るときはちょっと緊張した」、金牧さんは「ここの保育園を卒園した。中学生が職場体験に来たのを覚えている。自分もやってみたいと思った」とそれぞれ保育園を選んだ理由。
園児に絵本を読んであげたり、園庭で遊んだり、生徒たちは元気な子どもたちのパワーに押されながらも、奮闘。
昼には一緒に昼食を食べた。グレープフルーツの皮をむいて「うまくむけた」と見せる園児に「きれいにけけたね」と優しく褒めたり、おかずに手をつけない園児にちょっと自分で食べて「おいしいよ」と笑顔を向ける生徒たちの姿があった。
松本さんは「思っていたよりも元気で、ついていくのがやっと。いろんな性格の子どもたちをいっぺんにみている保育士さんてすごい」と感想を話していた。
長野地方検察庁伊那支部・伊那区検察庁に職業体験に訪れたのは、掘岳君、岩崎剛君、有賀優君の3人。
検察庁に志願した理由を、掘君は「裁判に興味があった」、岩崎君は「いろいろ裁判のことが知りたくて。勉強になると思った」、、有賀さんは「日本の法律をよく知りたいと思い」と、それぞれ話した。
午前中は検察の役割や裁判員制度、刑事裁判の流れについての学習をし、午後からは長野地方裁判所伊那支部へ場所を移して法廷見学。民事事件の傍聴などをした。
その後、再び検察庁へ戻り、裁判員制度の中での模擬裁判を体験。中学生が検察庁で模擬裁判を行なうのは県下初の試みとのことで「せっかくの機会なので裁判の流れや裁判員の役割など、しっかりと学んで欲しい」と検察庁職員。
「裁判員制度を題材とした教育教材」に掲載されている刑事事件をもとに、裁判長、被告人、証人を検察庁職員が、生徒たちは弁護士と検察官となって、模擬裁判を行なった。
事件の内容は、竏猪體ケを歩いていた高齢者が後ろから突き飛ばされ、持っていた現金を奪われた。犯行の20分後、警察官が容疑者を逮捕。容疑者はポケットに財布とは別に被害者が奪われた額と同額でお札の組み合わせも同じ5万5千円を所持。容疑者は犯行を否認。検察官は男を強盗致傷罪で起訴した竏窒ニいうもの。
起訴状朗読、冒頭陳述、証拠の取り調べ、被告人質問、論告、弁論などシナリオに沿って裁判を進めていった。
公判前には、生徒たちは弁護人、検察官という立場を離れ裁判員となりそれぞれ意見を述べた。
「被告人の持っていたお札から被害者や家族の指紋が、被害者の巾着や現金を入れていた封筒から被告人の指紋が検出されていない。証拠に決定的なものがないので有罪とは言い切れない」「被告の持っていたお札の一枚には、被害者が現金を入れていた封筒を閉じたホッチキスの針で開いたと見られる穴が空いている。被告の持っていた現金は被害者から奪ったものだと思う」など有罪、無罪、ふたつの意見に分かれた。
裁判長役の検察庁職員が、証拠や証言など一つひとつ整理し、まとめながら「大事なのは、人の意見を聞いて、自分の意見よりもそちらがもっともだと思ったら、乗りかえること」と生徒たちを指導。
「模擬裁判でも本物のような緊張感があった」と生徒たちは感想を話していた。
検察庁では模擬裁判を開きたいという学校(中学・高校)には職員が指導なども行なう。