風力発電 事業化に可能性
丸紅など高遠・長谷への電力供給 入笠で必要基準値上回る調査結果
高遠町と長谷村地域への風力発電による電力供給を視野に入れ、入笠牧場と鹿嶺高原で風況調査をしている総合商社・丸紅と村黒河内に水力発電をもつ、同社の100%出資会社・三峰川電力は、入笠牧場の12月から8月までの調査で、発電に必要な平均最低風速基準値(6・5メートル)を上回る平均6・7メートルを記録したことから、「事業化の可能性がでてきた」と、15日の村議会全員協議会で報告した。
事業化に向けては両調査地の1年分のデータが必要だが、入笠山と鹿嶺高原には同質の風が吹いているため、入笠山の11月までの調査結果で、鹿嶺高原の風況を推定し、年内か年明けを目途に取りまとめ事業化を決定する。
風力発電は入笠山から鹿嶺高原まで南北にのびる尾根伝い約11キロに、高さ100メートルほどの風車を30本建てる構想で、総発電規模は1万世帯分にあたる3万キロワットに上る。事業化されれば、最短で09年春にも風力発電による電力供給が実現する。
丸紅は北海道や鹿児島県、愛媛県など海に面した地域5カ所で風力発電事業を展開。今回の事業が実現すれば、過去に例のない形となる。